8月11日に放送された、「林先生の初耳学」で、林修先生が、漫画「闇金ウシジマくん」の作者へ取材していました。
「闇金ウシジマくん」は、実話を元に描いた作品で、作者・真鍋昌平先生は、1000人もの人へインタビューを行い、漫画を書き上げた、ということです。
2004年に「ビッグコミックスピリッツ」で連載され、2019年に連載が終了。
ドラマ化・映画化され、話題になった「闇金ウシジマくん」
林修先生が、「闇金ウシジマくん」の作者・真鍋昌平さんへ2時間インタビューし、真鍋昌平さんが貧困層・借金する人の特徴を述べていました。
目次
貧困層 借金する人は客観的に物事を見ることができない
「闇金ウシジマくん」の作者・真鍋昌平先生。
林修先生のインタビューに答えていました。
「闇金ウシジマくん」で、リアルな闇金の世界を描いた真鍋先生。
インタビューし、漫画を描き上げたということです。
真鍋昌平先生いわく、ネットやSNSで簡単に情報を得ることができる現代。
自分の知りたい情報が簡単に手に入れることができます。
しかし、そのため物事の善悪を客観的に判断することができなくなる可能性がある。
また、SNSの普及は、「闇金ウシジマくん」が連絡されている期間中に起こっていますが、SNSがきっかけで借金に陥る人が増える可能性もあるとのこと。
林修先生は、「闇金業や貧困層に何か影響があったんでしょうか?」と質問。
「金融業はSNSをやっていると、一発で見つかって摘発されてしまうので・・・。ただ、よく海外行ったり、”美味しいの食べてます”と写している女の人がいるじゃないですか?あれは絶対こっちにお金を出している男の人がいる。」
ギャラ飲みといって、”今日は金持ちと飲むから1時間2万円だけどこない?”といった、ギャラ飲みのグループラインがあるとのこと。
そのグループラインが何個もあり、そこに300人~400人が登録していて、お金をもらって飲み会に参加し、SNSに投稿している女性もいるようです。
そんな女性にも取材を行ってきたという真鍋さん。
それに対し、林先生は、「ギャラ飲みだと借金はしないんじゃ・・?」と質問。
ギャラ飲みだけではお金が入るだけで、借金につながりそうな印象はありませんね。
しかし、服装や小綺麗にする必要があり、借金をする女性もいるんだそうです。
「過剰に自分を見せようとする人たちが借金を抱える可能性が高いということですか?」と林先生。
真鍋昌平さんも同意していました。
借金する人の特徴は?自信がない・見栄っ張り・実行しない
林修先生が、「借金をする人の特徴とは?」と質問したところ、
真鍋昌平さんが答えた回答は、「自信がない、見栄っ張り、実行しないの3つですかね。
口だけで言うけど、実行しない人、という感じの人が多かった印象があります」とのこと。
林先生が気になったのは、”債務者は歯がない人が多い”という点だそうです。
「人の特徴で、歯がない、歯が欠けてるとか、そういう所に無頓着な方が多いと思ったんです」と真鍋さん。
真鍋さんが描く漫画では、お金を貸す側は「歯がある」・借りる側は「歯がない」という形で書き上げていることが多いです。
林先生が歯科医から聞いた話では、子どもで治療していない虫歯が5本以上あると、虐待の可能性が疑うという状況とのこと。
虐待は、見た目からでは発見しづらいため、現在は歯科医が歯の状況から育児放棄や虐待を見抜く動きも行われているということです。
実際に借金から抜け出す人はいる?
林先生が真鍋さんへ、「実際に借金から抜け出す人はいる?」と質問していました。
真鍋さんの回答は、「あまりいない。現実ではあまり見たことがない。負のサイクルから抜け出して何かになりたいんだったら、リスクを取るっていうのも1つあると思います。自分はそうしたんで」と。
真鍋さんは若い頃、消費者金融で生活費を借金し、その生活費がなくなるまでに漫画の賞を取らなければ漫画家の夢を諦めると覚悟を決め、漫画を書き上げた結果、見事漫画の対象を獲得。
真鍋先生は期限を決め、夢を実現させる決断をとったようです。
インタビューを受けた林先生が3分間の授業
真鍋昌平先生へ2時間取材した林修先生。
このインタビューで感じたことを3分間まとめて述べていました。
林先生が実感した、日本の生々しい現実。
「借金」って嫌な響きの言葉ですよね。
でも、全部の借金が悪いわけではなく、計画的に借りて、計画的に返して、きちんと暮らしてらっしゃる方がいるのもまた事実なんです。
ただ、この作品に出てくるお金を借りる人は、もう、まともなところは誰も貸してくれない。社会的に、”この人はお金をちゃんと返せない人”だと認定された人たちなんです。
だから闇金に走る。
そしてその闇金というのは、厳しい取り立てをするプロでもあるんです。
そもそも借りる側も、過酷な取り立てを行う人から借りるとどうなるかわかっていますよね。
辛くなるような、そこまで描くか?というようなシーンが出てくるんです。
完全なフィクションだったら流せるんですけど、先生もおっしゃっている通り、現実をふまえているので、こんなことが起きてるんだ、自分は知らないけどこうなのか、と、辛いのに読み進めてしまう。
読んだ時の不快感があるにも関わらず。
ただ、ずっと読んでいくと、ちょっと救いのある話も出てくるんです。
債務者が立ち直るきっかけを得るような。
何がきっかけで変わったのか、先生に伺ったら、ポイントとなったのは「東日本大震災」だと。
現実に、ああいう未曽有の大災害が起きて、現実が暗いのに作品まで暗くするのはどうか?ということを配慮されて、救いのあるエピソードもかかれたと。
ということは、それを読んで我々が辛くなるのは、裏に現実があるから。
ホッとするのはフィクションで支えられているからということで、現実はまったく変わっていない。
変わっていないどころか、日本は格差社会ではなく、階級社会になっている。
どんどん格差が広がっている。
一旦転落すると元に戻るのが難しい。
先生ご自身はリスクを取ってチャレンジして、賞をとってウシジマくんを描いて、地位を築かれていますけど、じゃあみんながあの方法でうまくいくのか、というと、そこも難しい。
となると我々は、「どうやったら転落しないですむか」ちゃんと学んだ方がいい。
その点この本は、転落のメカニズムが描かれているんです。
我々がつい気楽に使ってしまうSNSが転落に導く可能性すらある。
だからこの本を読んで、「フィクションだ」、「まったく関係ない」と自信が持てる人は読む必要はない。
でも、「どこか自分に繋がるんじゃないか」と、僕自身も紙一重なところもありますし、そういう人はこれを読むことによって、どうしたら転落しないですむか
先生は、この本に登場する登場人物は全て、「全員反面教師」だとおっしゃっていますので、ここから学ぶことも意味があるのではないかと考えております。
とまとめていました。
まとめ
8月11日に放送された、「林先生の初耳学」で、林修先生が、漫画「闇金ウシジマくん」の作者へ取材していました。
「闇金ウシジマくん」は、実話を元に描いた作品で、作者・真鍋昌平さんは、1000人もの人へインタビューを行い、漫画を書き上げた、ということです。
林修先生が真鍋昌平先生へインタビューし、林修先生が、「借金をする人の特徴とは?」と質問したところ、「自信がない、見栄っ張り、実行しない」の3つの特徴を挙げていました。
また、「実際に借金から抜け出す人はいる?」と質問した林先生。
真鍋昌平先生の回答は、「あまりいない。現実ではあまり見たことがない。負のサイクルから抜け出して何かになりたいんだったら、リスクを取るっていうのも1つあると思います。自分はそうしたんで」と答えていました。
実際に借金から抜け出すことができる人はあまりいないようです。
一旦転落すると元に戻るのが難しい。
我々は、「どうやったら転落しないですむか」ちゃんと学んだ方がいい、と林先生。
とても的確でわかりやすいインタビューでした。