9月24日に放送された「クローズアップ現代」
今回は、ゲノム編集食品について紹介していました。
「ゲノム編集食品って何?食卓への影響は?」と、解説。
10月1日から日本でも導入されるゲノム編集食品。
どんな食品なのか、気になりますね。
番組では、日本とアメリカを取材し、まとめていました。
目次
佐賀県唐津市 研究所でサバのゲノム編集
九州大学の大賀浩史助教授。
魚類繁殖生理学、ゲノム育種を研究しているということです。
大賀浩史助教授は、唐津市にある研究所でサバのゲノム編集を行っています。
唐津市の研究所をレポートしていたキャスターが、ゲノム編集されたサバの様子を伝えていました。
ゲノム編集によって作られた、というサバ。
姿形は一般的なサバと全く同じです。
大賀博史助教授によりますと、ゲノム編集で、サバの攻撃性を抑えることに成功したと話していました。
実はサバは強い攻撃性をもっているとのこと。
この攻撃性でサバの稚魚は共食いをしてしまいます。
サバの生存率は1割。
そのため、養殖は難しいとされてきました。
そこでゲノム編集技術が進められ、サバの攻撃性がある遺伝子を探し出して、攻撃性遺伝子を切る、という研究が成功。
ゲノム編集食品とは、目的としている遺伝子を探し出して、目的の遺伝子を切る、と教えてくれました。
特殊な酵素を魚の受精卵に入れ、はさみで切るようなイメージです。
攻撃性がある遺伝子を切ることで、サバの攻撃性が抑えられ、共食いが減るとのこと。
この技術により、1割だった生存率は4割になりました。
これにより、サバの養殖が進むと言われています。
まさに革命といってもいい技術、と大賀浩史助教授
ゲノム編集食品と聞くと、あまり詳しいイメージがわいてこなかったので、こういう形で養殖を進める、という話を聞き、少し安心しました。
ゲノム編集食品 海外から輸入される可能性も
アメリカでは、ゲノム編集食品の開発が進んでいます。
トウモロコシや大豆を栽培している農場を訪れ、農家の方に話を伺っていました。
ゲノム編集を行い、
・ビタミンを多く含むベリー
・収穫量を増やすとうもろこし
などを農家で栽培しているということです。
ゲノム編集を行った大豆を生産している農家。
通常の大豆が8ドルのとき、ゲノム編集したものは10ドルと、収入は全然違うということです。
今後、日本にも、海外からのゲノム編集食品が輸入される可能性もありますね。
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品 どこが違う?
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品、一体どこが違うのでしょうか?
遺伝子組み換えの場合はバクテリアに着目しているということです。
遺伝子組み換え食品は、遺伝子を入れる、という形。
それに対し、ゲノム編集食品は、遺伝子を切る、ということです。
これが大きく違う点、と説明してくれました。
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品 違いは販売のルールにも
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品。
販売のルールも違いがあるということです。
遺伝子組み換え食品は、国の安全性審査を受けることが義務付けられています。
これに対し、ゲノム編集食品は、安全性審査は不要。
遺伝子を切る、という手法はこれまでの品種改良に使われてきたということです。
梨は昔から遺伝子を切ることで生まれた品種が多い、とのこと。
品種改良は放射性物質を使って行っており、放射線によって作物の遺伝子の一部が切断され、突然変異を起こしたと言われています。
梨の品種改良について、これまでのところ問題が発生したことは聞いたことがない、と農家の方がおっしゃっていました。
ゲノム編集食品 オフターゲットというリスク
アメリカではすでに導入されているゲノム編集食品。
様々な議論が行われているようです。
オフターゲットとは、狙った遺伝子を切るはずのはさみが別の遺伝子を切ってしまうこと。
別の遺伝子を切ってしまう懸念もあり、食べ物の毒性やアレルギーに対し、懸念している研究者もいるようです。
ゲノム編集についてはまだまだ解明されていないことがたくさんある、という声もあります。
その一方、世界から飢餓を救うという研究者も。
確かに、別の遺伝子を切ってしまうというオフターゲットが生じた場合は心配ですね。
日本では10月1日から解禁 ゲノム編集食品
日本では、10月1日から解禁されるというゲノム編集食品。
よくわからないので不安、という声が多いです。
ゲノム編集食品と、一般的な食品のどちらを購入するか、というアンケートをとっていたところ、大半の方は一般の食品を選ぶ、と回答していました。
・子どもの体のことを考えると心配なので、一般的な食品を購入する
・遺伝子組み換え食品との違いがよくわからないので、購入に不安がある
という意見がありました。
日本で研究が進められているゲノム編集食品
日本で研究が進められているゲノム編集食品が紹介されていました。
・攻撃性を抑えたサバ
・血圧を下げる成分(ギャバ)が多いトマト
・アレルギー物質が少ない卵
・身の量が多い真鯛
・収穫の多い稲
など、研究が進められています。
ゲノム編集食品は安全性審査必要なし
ゲノム編集食品。
国は、企業に内容の届け出を求めるということですが、安全性審査は不要、とされています。
輸入品も同様のルールで、安全性審査は行われません。
ルール作りに携わった明治大学の中島春紫先生は、
・遺伝子を入れるのが遺伝子組み換え
・ゲノム編集は切るだけ
ということで、ゲノム編集は品種改良と同じような扱いだと話していました。
品種改良は、天然の放射線によって突然変異で遺伝子が切れるもの。
出回っている食品とリスクはかわらないので審査は必要ない、ということです。
オフターゲット 未知のリスク
今年2月からゲノム編集食品が発売されているというアメリカ。
狙った遺伝子ではない別の遺伝子を切ってしまうオフターゲットを心配する声もあるようです。
まだわかっていないものを食品として流通することに懸念を持っている、とのこと。
アメリカの実態はどうなっているのでしょうか?
ゲノム編集食品の大豆から摂られた油のラベルを見ると、Non-GMO (遺伝子組み換えではない)ということだけが記載されています。
ゲノム編集食品であることの表示は義務付けられていないということです。
そのため、消費者は知ることができない状況。
アメリカでは、気にしない、という声や、どんなものが使われているか知る権利がある、と意見がわかれているようです。
消費者は遺伝子組み換えでない食品を求めている、と報じられました。
消費者が知る術はあるのでしょうか?
アメリカでは遺伝子組み換え食品も表示の義務はないということで、遺伝子組み換え食品、ゲノム編集食品共に、販売されている食品に表示はありません。
オフターゲットの心配もあり、未知のリスクがある、と懸念している研究者もいるようです。
ゲノム編集食品 日本の企業は?
最初にゲノム編集食品を販売する企業にインタビューしていました。
開発されているのは、血圧を下げるとされるギャバを多く含んでいるトマト。
ゲノム編集食品を開示する義務はない、ということです。
しかし、情報を知りたいというのであれば開示したい、と話していました。
日本で流通するときは、表示してほしいという声が多くなりそうな印象を受けました。
表示をすることによるメリットとして、付加価値をアピールすることが可能。
デメリットは、不安な消費者が離れてしまうこと。
ゲノム編集食品が表示義務なしの理由は、
科学的に区別できない→義務化しても実効性が担保できない
ということにあるようです。
識者は、日本でも議論する必要性があると伝えていました。
まだあまり耳馴染みのないゲノム編集食品。
遺伝子組み換え食品との違いはわかりましたが、オフターゲット、というリスクを聞くと、少し不安も出てしまいますね。
ゲノム編集食品に対しても表示することを義務づけてくれると安心できる方も多いのでは?と感じました。
まとめ
9月24日に放送された「クローズアップ現代」
「ゲノム編集食品って何?食卓への影響は?」と、解説してくれました。
10月1日から日本でも導入されるゲノム編集食品。
アメリカでは、ゲノム編集食品の開発が進んでいます。
ゲノム編集を行い、
・ビタミンを多く含むベリー
・収穫量を増やすとうもろこし
などを農家で栽培しているということです。
今後、日本にも、海外からのゲノム編集食品が輸入される可能性もありますね。
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品、一体どこが違うのでしょうか?
・遺伝子組み換え食品は、遺伝子を入れる、という形。
・ゲノム編集食品は、遺伝子を切る。
これが大きく違う点、と説明してくれました。
遺伝子組み換え食品とゲノム編集食品。
販売のルールも違いがあるということです。
・遺伝子組み換え食品は国の安全性審査を受けることが義務付けられている。
・ゲノム編集食品は、安全性審査は不要。
遺伝子を切る、という手法はこれまでの品種改良に使われてきたということで、ゲノム編集食品も同じ認識のようです。
日本で研究が進められているゲノム編集食品が紹介されていました。
・攻撃性を抑えたサバ
・血圧を下げる成分(ギャバ)が多いトマト
・アレルギー物質が少ない卵
・身の量が多い真鯛
・収穫の多い稲
など。
10月1日から、血圧を下げる成分(ギャバ)が多いトマトが販売されるということです。
ゲノム編集食品を開示する義務はない、ということです。
しかし、情報を知りたいというのであれば開示したい、と話していました。
アメリカでは、遺伝子組み換え食品・ゲノム編集食品共に、消費者へ表示する必要がないということです。
日本では、ゲノム編集食品については表示義務はない、と報じられています。
まだ耳馴染みのない、ゲノム編集食品。
消費者のニーズによって、表示義務などの声が取り入れられることもあるかもしれませんね。